UNIX MAGAZINE Classic with DVD

UNIX MAGAZINE Classic with DVD(DVD4枚付)

UNIX MAGAZINE Classic with DVD(DVD4枚付)

約20年にわたって刊行されたUNIX MAGAZINEの殆ど全てをPDF収録したDVDが付いてくる、UNIX MAGAZINEの総集編。冊子のほうの「UNIX MAGAZINE Classic」は、いわば映画のDVDでいえばコメンタリみたいなものというか。自分がUNIX MAGAZINEを読んだのは90年代後半以降で、それより前のはパラパラとしかめくったことがないくらい。今読んでどうかなと思ったけど、20年前の記事もびっくりするくらい新鮮だ。一回転して面白く読めるというか。

昨今、会社でネットワークの勉強会とかをやっていても思うけど、完成したものからは、そこに至るまでの試行錯誤は見えなくなっちゃうんだよね。最初からカンペキなものが、仏像が木から掘り出されるよーに浮かんでくるよーな。でも、実際はそうじゃないよということが、過去の記事を見ていくとよくわかる。87年1月号の冒頭には、James Gosling(10年前から今まではJavaのエライ人と認識されているが、当時はSunのウィンドウシステムをどうこうしてた)のインタビューが載っていて、ウィンドウシステムをUNIX上で実装するといろいろあれこれ大変だよねーみたいな話も載ってたりする。それからどうなったのかという歴史を踏まえて読むとホント面白い。

あと、このPDF、単にスキャンして画像化したものをまとめただけかと思いきや、OCRでテキストを復元したのか、それとも当時のテキストが残っていて埋め込んだのか、ちゃんと検索が効くようになっている。これって結構すごい事だと思う。アーカイブを作るにあたって、ちゃんと検索性のことも考えているのは正直エライと思います。アタリマエのように見えて、なかなか出来ないことだと思うんだよね。

UNIX MAGAZINEに限らず、終刊してしまった雑誌でまだ読みたいものは結構あるので、このへんで、DVD化に限らずなんらかのカタチでアーカイブを発刊してもらいたいところです。ASCIIとかSuperASCIIとか(このへんは田舎に帰ったときに暇つぶしで読み返すことも多い)、ソフトバンクのOh!シリーズとか、ベーマガとか、わりと需要はあると思うんだけどねー。少なくとも、SuperASCIIとOh!FMなら、これくらいの価格でも買います。

PDFは全部Mac上にコピったので、空いた時間にちょっとずつ読み返していこう。全部で13.32GBでした。ちなみに、UNIX MAGAZINE創刊号に記事が載ってるSONYワークステーションNEWSの最上位機種が搭載しているHDDは160MBそこそこ。20年で、13GBの記事データをHDDの片隅に転がしていても「ま、いっか」くらいに思えるようになっちゃったわけだね。つか、160MBなんてメインメモリとしてすら全く足りないくらいだしねぇ。なんというか。改めてすごい変化だったんだなあと感じるね。