何も変わっていない

紹介ついでに、第12章の「ほめるのが先か、成果が先か」から一部分を抜粋してみる。

 人間だれでもそうだけれど、小さいころからバカ、トンマ、マヌケと言われつけていればいい子が育つわけでもなくて、ある程度「よくやった」とほめることが必要だ。それと同じで、研究者もほめる、つまりよい環境を与えることが成果を引き出すことにつながると思う。
 もちろん、ただほめられるだけというのでは子供と同じで、エバリュエーションはきつくされるべきだし、当然研究者のほうもそうなったら自戒すべきで、何でもいいからオレはエライんだというような思い上がりは論外であることはもちろんである。また事実、設備が揃えられたらもう設備の貧弱さを成果の無さの理由にすることもできなくなる。ほめるべきだというのはそういう前提のもとでいっていることだ。

これは、当時、TRONプロジェクトが、IBMやMS/AppleスタンフォードCMUやMIT、バークレイと比較されてどういう扱いを受けていたのかを示唆している。そして、なんかどっかで見たばっかりの文章という気もする。まあ、社会が20年やそこらで大きく変わるわけでもないんだけど、いろいろ考えさせられる。同じ過ちを繰り返さないために必要なことは、何だろうか。いや、既にぼくらは恵まれた環境にいるんだけど。