iTunes 9

というわけで、毎年恒例9月のAppleミュージックイベントでは順当にiPod touch/nano/iTunes 9/iPhoneOS 3.1が発表されたわけですが。

まず最初に、注目の的だったアルバム機能、すなわちiTunes LPについてチェックしてみました。購入したのはNorah JonesのCome Away with me。

購入すると、m4aやm4vのファイル以外に、*.itlpというパッケージが落ちてきます。この中身を見てみると、HTMLとJavaScript、その他画像やムービーリソース、メタデータが入ってました。恐らく、AppleからHTML/JavaScriptのテンプレートが提供されて、それを元にオーサリングが行われるのでしょうね。各種リソースは1280x720で統一されていて、MacBookで全画面にするとちょうどピッタリくらい。このitlpに最適化されたタブレットが出るとしたら、MacBookと同じ1280x800の液晶になりそうですね。それはそれで楽しそうだ。

で、買ってみて思ったけど、これはやっぱ正解だわ。インタラクティブなデジタルブックレットは必要だと確信しました。いままでの配信に足りなかったのはコレ!コレが付いてくるなら、もうCDを買うイミほんとに無い。なにせ、CDだとブックレットはすぐにしまわれて、なかなか見ることが出来ないので。よっぽど好きなら歌詞も打ち込んだり取り込んだりするけど、その手間がバカにならないので。きちんとデザインされたブックレット(しかも動画やインタラクティブな要素も取り込める)が入っていると、デジタル配信はようやくCDを超えた何者かになったのだという気になってきます。

iTunesからは、itlp再生中はWebHTMLViewが呼ばれているので、iTunes上からWebKitでコンテンツ再生を行っていて、即ちこれがSafariWindowsに移植しなければならなかった理由なわけですね。同じく、iTunes Storeを閲覧中もWebCoreが呼ばれているので、どうやら、iTunes StoreWebKitベースに変わったようです。これで、iTunes上でのコンテンツ再生がitlpというカタチでサードパーティに公開されたので、次のステップはiTunes Store上のストア機能のサードパーティに対する公開かな。これが出来るようになると、各レーベルがiTunes Store上で独自展開出来るようになるので、レコード会社にとっては魅力的なんじゃないかなと。

というわけで、iTunesWebKitが合体したというのが最大の機能拡張ポイントでした。その他にも、ようやくスマートプレイリストの検索条件がネスト出来るようになった!など、地味にいっぱい変わってます。が、曲の追加が遅いといった基本機能までは手が入れられなかった模様。依然として32bit Carbonアプリですしね。とはいえ、9の次はXですから、iTunes Xでは64bit Cocoaアプリに生まれ変わって欲しいものです。

あーそれにしてもiPod touch 64GB欲しい……。もう16GBじゃムリなんだよ!